帰れない町の忘れ物
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それは春休みの出来事で。
行きつけの駄菓子屋さんで、クラスメイトの友達と待ち合わせた。
お小遣いは少なかったけど、色んなお菓子を分け合って。
優しさと楽しさに満ちた思い出になった。
お店のオバアサンにさよならをすると、おもちゃのブローチをくれて。
宝石みたいにキラキラ光るのを、友達と見せ合いながら帰り道を歩いた。
家までもう少し。
そう思った次の瞬間、世界はひっくり返った。
違う。ひっくり返ったのは私だった。
分からない。痛い!怖い!
泣くことしか出来なかった私を母が引っ張ってくれて。
おもちゃのブローチを落としたと気づいたのは、私が私の町に帰れなくなった後だった。
あれから、何年も経って。
落としたおもちゃのブローチは未だあの場所にあるのだろうか。
宝石のようにキラキラ光っている様は私の中で色褪せることは無い。
あの日の忘れ物はいつなればこの手に戻ってくるだろうか。
行きつけの駄菓子屋さんで、クラスメイトの友達と待ち合わせた。
お小遣いは少なかったけど、色んなお菓子を分け合って。
優しさと楽しさに満ちた思い出になった。
お店のオバアサンにさよならをすると、おもちゃのブローチをくれて。
宝石みたいにキラキラ光るのを、友達と見せ合いながら帰り道を歩いた。
家までもう少し。
そう思った次の瞬間、世界はひっくり返った。
違う。ひっくり返ったのは私だった。
分からない。痛い!怖い!
泣くことしか出来なかった私を母が引っ張ってくれて。
おもちゃのブローチを落としたと気づいたのは、私が私の町に帰れなくなった後だった。
あれから、何年も経って。
落としたおもちゃのブローチは未だあの場所にあるのだろうか。
宝石のようにキラキラ光っている様は私の中で色褪せることは無い。
あの日の忘れ物はいつなればこの手に戻ってくるだろうか。
その他
公開:19/04/09 00:20
月の音色にて噂を聞きまして。
よろしくお願いいたします。
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