205. FRIDAY NIGHT

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娘さんに頼まれて私は彼が会社を出た後、直ぐにタクシーに乗り跡を着けた。
黒電話の単独行動は運転手にとって初めてのことだったらしく一瞬固まっていたが、運転手も1度は前の車を追跡してみたいと思っていたらしく直ぐに乗り気になってくれた。
今日は金曜の夜。街はいつにも増して華やいでいる。私は気が付くと自分の電話線を指でくるくると巻きながら、流れる車窓からの眺めにしばし見とれていたが、彼の乗った車が「海底神殿」と書かれた建物に入っていくのは見逃さなかったので、運転手にすかさずそこへ入るように指示した。
建物内をこっそり覗いてみる。彼は厨房にいて、寿司を握っていた。
彼は知り合いに頼まれて、金曜の夜だけここに手伝いに来ているらしい。

私は娘さんに早速報告の電話をする。
「もしもし。あなたのお父さんはマジメにバイト…」
ここで本人に見つかり、揉めて電話を切られた。

「娘は魚のアレルギーなんだッ!!」
ファンタジー
公開:19/04/06 21:00
更新:19/04/07 01:35
スクー お父さんと行くと揉める海底神殿 華金を楽しむ黒電話

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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