罰として、せいざ

2
4

生前、悪行の限りを尽くした俺は地獄に落とされた。
地獄の鬼は皆屈強で今は勝てない。しかし、必ず隙が出来るはずだ。その時俺は無法者どもを率いてこの地獄を支配する!
そう画策する俺に閻魔から罰が下された。
「お前のような大悪党はずっと”せいざ”をしておれ!」
ほぅ。正座とな。閻魔大王もえらくお優しいものだ。
内心ほくそ笑む俺は両脇を強面の鬼に抱えられ、ロケットに縛り付けられた。
ん?ちょっと待て。俺は正座するだけでいいんだろう?
「お前に与えられた罰は正座じゃなくて星座だ。お前は今から宇宙に打ち上げられる。そこで星座の一部になるんだ」

かくして俺は宇宙に打ち上げられた。俺の体はバラバラになり、夜空を彩る星の一部となった。
極寒にして灼熱。水も空気も話相手もいないこの空間はまさに最悪の地獄だ。

あれから何百年経っただろう…何かが俺の体にぶつかった。
そいつははやぶさと書かれた金属の塊だった…
SF
公開:19/04/06 18:32

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容