終着点

目が覚めると、私はりんごになっていた。
今回はりんごの木として生きていくらしい。
しかしあるとき、土地開発のために切り倒され、根元から掘り返されてしまった。

また目を覚ますと、次はゴリラになっていた。
私は群れの長になるなどしながら生活していたが、山火事で仲間を逃がしているうちに逃げ場がなくなって焼け死んでしまった。

次はラクダだった。
砂漠の環境は厳しかったが、のんびり暮らしていると、突然銃で撃たれて死んでしまった。

このように、私には前世の記憶が全て残っている。
りんごの前は確かコウモリだったと思う。
次の命はなんだろうか。

次はダニだった。
今までで一番小さい生物だったかもしれない。
ただ生活に困ることは無く、食料も豊富で過ごしやすい環境だった。
ところが、布団が天日干しされてしまったとき、息絶えることとなった。

さて次はなんだろうか。

次は、人間だった。

あっ。