さようなら

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灰となって手のひらからこぼれ落ちた愛しさという名の君が、今も目蓋の裏で淋しそうに微笑んでいる。

君を追憶することをやめられない僕にもういいのと囁いて、僕を自分から解放したがるように微笑んでいる。

まるで醒めない夢を見ているかのようだと自嘲する僕の頬を、君の指先のような風が撫でてきた。
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公開:19/04/04 16:50

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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