格闘技

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 試合が始まった。
 日本選手は体格差で不利だと誰もが予想していた。案の定、リーチの長い相手選手に、攻撃の機会を掴めない。
 だが小柄な彼は、スピードと技で相手選手の攻撃も巧みに躱していた。
決着がつかないまま、時間だけが過ぎていくかと思われた時、相手選手が思い切った攻撃に出た。激しい突きのラッシュ。目にも止まらぬスピードで繰り出される攻撃を日本選手は辛うじて防いでいたが、いきなり彼の頰が裂け、血が滲んだ。
 高速で突き出す拳がかまいたちという斬撃を生み出したのだ。
 攻撃は止まることを知らない。白熱する試合に会場は嵐の様相。
 日本人選手は頰だけでなく、腕や足も切り裂かれた。防戦一方で相手選手にジリジリと押されている。
 試合の雲行きはかなり怪しくなっていた。
 会場にわかにかき曇り、暗雲立ち込め、雷鳴轟き、稲妻一閃。

 落雷により相手選手はダウンして、日本選手が勝利した。作戦通り。
その他
公開:19/04/04 08:08

堀真潮

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