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テレビから聞こえたその声を覚えていた。
その声は私の心の中まで入り込み、私の魂を優しく包んだ。
いつもすぐそばで聞いていた懐かしい声。
外が吹雪で凍えそうな冬でも。
野獣の声に恐怖で震える暗闇の中でも。
男たちが外で戦っている時でも。
私はその声を聞くと安心した。
空腹な時も、どんなに怖くてもその声を聞くと安らいだ。
あの声を忘れるはずがない。
「今お聞きいただいたのが、頭がい骨の化石に肉付けをして復元したネアンデルタール人の声でした。彼らは2万数千年前に絶滅しているのですが、その遺伝子は現在の人類にも数%含まれているといわれています」
その声を聴いてから自分の体が変化し始めているのを感じた。
眼窩がせり出し、後ろ頭が大きくなり、体が次第に前かがみになって行く。
ふと我に返り鏡の前に立つ。
するとそこにいるのは今まで通りの私だった。
それは私の体に太古の昔から流れている血の中の記憶だった。
その声は私の心の中まで入り込み、私の魂を優しく包んだ。
いつもすぐそばで聞いていた懐かしい声。
外が吹雪で凍えそうな冬でも。
野獣の声に恐怖で震える暗闇の中でも。
男たちが外で戦っている時でも。
私はその声を聞くと安心した。
空腹な時も、どんなに怖くてもその声を聞くと安らいだ。
あの声を忘れるはずがない。
「今お聞きいただいたのが、頭がい骨の化石に肉付けをして復元したネアンデルタール人の声でした。彼らは2万数千年前に絶滅しているのですが、その遺伝子は現在の人類にも数%含まれているといわれています」
その声を聴いてから自分の体が変化し始めているのを感じた。
眼窩がせり出し、後ろ頭が大きくなり、体が次第に前かがみになって行く。
ふと我に返り鏡の前に立つ。
するとそこにいるのは今まで通りの私だった。
それは私の体に太古の昔から流れている血の中の記憶だった。
SF
公開:19/04/05 16:59
もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)
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