11. しょんぼりヶ丘

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色々あって、ペシャンコになったボクがフラリとやって来たのは、しょんぼりヶ丘。
ここは、しょんぼりした人たちが、人知れず集まる丘。
とは言っても、寄り添ったり、励ましたりはしない。皆、ひとりポツンと佇んでいる。
人と人の間には距離があり、声も届かなければ顔もわからない。ただ、遠くで同じようにしょんぼりしている仲間がいるなぁ、と認識できる程度だ。
干渉し合わない事がここの掟であり、それが居心地の良い空間を作っている。
静かに風が吹き、その音が耳に響く。それは氷の上を滑り出したくなる妖艶な音色。
この丘では、そんな音色に身を預け、三角座りをしながら、ぼんやりと自身を見つめ直すのだ。
ふと、ボクは遠くで同じように佇んでいる人に手を振ってみた。
振り返してくれた。
同じ空の下、言葉なくとも心は繋がっている。

空を見上げると綺麗な月が出ていた。
さぁ、夜が明けたら次の一歩を……。
踏み出してみよう。
その他
公開:19/04/02 23:45
更新:19/04/05 12:49
『壬生モンキーパーク』 11曲目 そるとばたあ宿題 アルバム作り(壬生ver.)

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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