12. キーキーチェイス

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とある街で、一匹の猿が疾走していた。
「そいつを捕まえてくれ! お話の詰まったバナナを盗られた!」
壬生果実店の主人が叫んでいる。猿が玩具屋に逃げ込み、主人も飛び込む。
「どこに隠れやがった? こいつか!」
シャンシャンシャン。
「そ、それはシンバルを鳴らす猿の玩具です」
玩具屋の主人が突然の騒動に戸惑っている。
「くそっ! あいつか!」
タカタカタカ。
「それはドラムを鳴らす猿の玩具です」
「チッ! そいつは?」
モグモグモグ。
「それはバナナを食べる猿の……」そこまで言いかけた玩具屋の主人が叫ぶ。「玩具なんてありません! そいつですよ!」
「堪忍しろ!」と、主人たちが猿に飛び掛かる。しかし猿が投げたバナナの皮に足を取られた。
きー! と唸る主人たち。キー! と逃げる猿。
きーきー、キーキー。
その日、そんな奇声がカーチェイスの如く響いていた。

ここは壬生モンキーパーク。騒がしい街だ。
その他
公開:19/04/03 23:45
『壬生モンキーパーク』 12曲目 そるとばたあ宿題 アルバム作り(壬生ver.)

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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