天皇誕生日の幹事

「天皇陛下ばんざーい」「ばんざーい」
平成最後の天皇誕生日。僕の隣でじいちゃんが目を潤ませながら万歳三唱をしている。ああ、来て良かった。これでじいちゃん孝行ができたかな。

始まりは、「一度でいいから『一般参賀』をやってみたい」というじいちゃんの一言だった。「どうせなら正月よりも天皇誕生日のお出ましに行ってみたい」そう言いながら僕の目をじっと見つめる。わかったよ。いつもこづかいをもらってるし、ここは一念発起して「天皇誕生日一般参賀ツアー」を企画しよう。

陛下のお出ましは午前中に3回。参拝者が多いと正門からお出ましの場までの移動に1時間かかるらしい。そんなことを調べて確実にお出ましに間に合うようスケジュールをたて、いざ、出陣！
そして無事、じいちゃんの念願は叶ったのだった。

「皇太子様の誕生日はいつだったかな？」じいちゃんがボソッとつぶやいた。はいはい、次の天皇誕生日も幹事やりますよ。