嘘なんてつくもんじゃない…

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俺は昨夜、嫁に取引先との商談と偽って同僚とキャバクラで飲んでいた。
そのことが今朝、嫁にバレた。当然嫁はカンカンだ。
「今日は早く帰ってきなさいよ!」
怒声を背に俺は逃げるように家を出た。
はぁ…今日は家に帰りたくない…でも帰らないともっと怖い…
重い足取りの中、俺は家に帰った。

「あなた、お帰りなさい。今日はお鍋にしたわよ♪」

嫁が満面の笑みで俺を出迎えてくれた。
「今日は熱?それとも冷?」
朝から一変、その優しさが怖い…
断ることが出来ず俺は嫁のなすがままだ。
「はい。どうぞ」
俺は妻の差し出した冷を一気に飲み干した。
って何だこれ!苦すぎる!
「これはね『嘘つきに罰を与える』が謳い文句の針千本印の苦汁よ。この煮え湯も飲んでね♪」
震える俺に嫁は更に畳みかける。
「今日のお鍋、地獄の釜にしてみたの。全部食べてね♪」
今、嫁の手で地獄の釜が開かれる!
もう二度と嘘つかないから許して!
ホラー
公開:19/01/10 19:22

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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