挽肉処理

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 ああ、手がネトネトします。パン粉は牛乳で湿らせましたが、玉ねぎの微塵切りがまだなのに、アルミのボールに取り出した挽肉がとても嫌な形だったので、思わず、両手を突っ込んでしまったのです。爪や指紋にまで入り込んだ挽肉が、私を凍えさせています。ヌルヌルする包丁で玉ねぎを刻みます。流し全体がベタベタします。
 卵と塩胡椒とナツメグを混ぜます。フライパンから煙が上がり、玉ねぎがジュッっといいました。菜箸もネトネトです。
 玉ねぎも混ぜ、挽肉を殴り、張り倒し、叩きつけます。肉片がそこいらじゅうに飛び散っています。廊下も浴室もネトネトです。
「空気を抜かないと爆発する」と、母が教えてくれたハンバーグの他に、私は、大量の挽肉を処理する方法を知らないのです。
 私は、ハンバーグを好きだと言った家族を憎みながら、真っ赤な手でケチャップを絞り出します。大嫌いなハンバーグ。 ああ、私は今すぐ、手を洗いたいのです。
ホラー
公開:19/01/10 13:43

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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