おっぱいナカレ

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おっぱいの肉が逃げた。
気づかぬうちに彼は背中にいた。
「ねえどうして?」
「俺はこっちでいいよ」
「そこじゃ見えないよ」
「見られたくないからここにいるんだろ。ほっといてくれよ」
「私の肉でしょ」
「おまえの肉だからってなんでも自由になると思ってんのかよ」
「そうじゃないけど」
「俺にだって自由をくれよ」
「でも…」
「ずっとおまえの肉でいるから」
「トオル…」
私はいつもこんなふうに彼に押されてしまう。
彼に愛されて幸せに暮らしてきた。このままそれが続けばいいと願っているけど、最近ちょっとだけ不安で垂れる。
おっぱいだったはずの彼が背中にいるというのはやっぱりさびしくて、昔のようにもっとそばにいてくれたらなって思う。
深夜、眠っている背中の彼を鏡に映して私は泣いた。
彼は驚いて目を覚ますと、私のことを下から見つめた。
「つらい思いさせてごめん。ずっとここにいるから」
「おなかはやめて」
公開:19/01/10 13:24

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