大はしあたけの夕立の再現

6
11

30XX年。氷河期が終わり、人類は再び地上で生活を始めた。
過去の膨大な資料を取りまとめていたが、どういうわけか1800年代の日本の資料が欠落していた。たった一枚の版画だけが頼りだった。
「どうして雨が黒い」
「核戦争ですか」
「水質汚染だろうか」
「人々は靴を履いていない」
「確かにそうだな」
「屋根のない高い建物は一体何なのだろう」
「現地に行けば何かがわかるはずだ」

調査隊は日本へ向かった。

火山活動が活発になった日本は、火山灰で辺り一面が真っ白だった。

「ここに来てわかったぞ。こんなに白い灰が降る地域だ。人々にとって黒い雨は希望の象徴だったのだろう。裸足の人々はおそらく大きな櫓の上で雨乞いをしていたのだ」
調査隊は当時を再現するため、木を組み高い櫓を建てた。
櫓の下では調査隊の1人が船に乗り灰の上に青の染料を撒いた。

調査隊は完成した櫓の上で裸足になり雨乞いの踊りを始めた。
その他
公開:19/01/09 23:19
更新:19/01/10 01:07
歌川広重

ぱせりん( ひろしま )

北海道出身です。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容