最高の一日

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閉店間際の銀行に一人の男がやって来た。
顔を覆面で隠し、手にはピストルを持っている。
どう見ても銀行強盗である。
「動くな。命が惜しかったらこの袋に銀行中のありがとうをありったけつめろ」
「はっ」
「だから、この袋にありがとうを詰めろと言っているんだ。なんだこの銀行にはありがとうがひとつも無いのか」
「も、勿論ございます。でも、そんな大量のありがとうをすぐには準備できません。上司に聞いてみないと」
「なら、早くしろ」
「少々お持ちください」
「店長、どうしましょうか」
「犯人の言う通りにするんだ」
「畏まりました」
「大変お待たせいたしました。店長の許可が下りました。ただちに作業に掛かります」
その時、外からパトカーのサイレンの音が鳴り響いた。
「げっ」
男は慌てていたため自分の財布を落としていった
プルルル
「あんたの落とした金は預かった。返して欲しくば銀行窓口に通帳と印鑑を持って来い」
公開:19/01/07 20:04
更新:19/01/07 20:06

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