鉄則

「またパチンコで負けちまったよ～」
「お前まだパチンコなんてやっていたのか？やめろやめろ。パチンコなんて絶対に負ける博打なんだから」
「負けると分かっていても打ちたいんだよ！次は勝てるって思っちまうんだからしょうがないだろう！」
「お前さぁ…よく考えろよ。パチンコの玉は何で出来ている？」
「鉄だろ」
「そう、『金を失う』と書いて鉄の玉だ。これでもお前はまだパチンコをやり続けるのか？」
「そうだな…パチンコはもうやめるよ」

「はぁ…また負けた…」
「どうしたんだ？またパチンコか？あっ？それともスロットか？」
「いやいや、どっちももうやっていないよ。その代わり、今までの負け分を取り返そうと株を始めたんだ」
「そりゃまたえらいもの始めたな…」
「畜生…この『株の鉄則』って本の通りにやっているのに損するばかりだ！」
「お前さぁ…ちゃんとよく見ろよ…『金を失う則』の本だぞ。儲けるわけないだろう…」