166. 年賀状の当選品

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学校から帰ると見たことない靴が玄関にあった。
「孝、お帰り~」「孝くん?おかえりなさい」知らないおばあさんがいる。
「母さんこの人だれ?」
「孝の年賀状で当選した人よ。私も最初は戸惑ったけどとってもイイ人で良かったわ!あんたやったわねぇ‼ 」「…」すぐには状況が飲み込めない。
どうやら琴乃ちゃんから届いた年賀状が当たっていたらしい。
「でも普通は切手シートとか特産品とかじゃないの?」
「今年はお年寄り付きだったのよ」改めて年賀状を見ると確かに数字の横には『お年寄』と書いてある。ビックリだ!
「政府の国策で家族が居ないお年寄りを今年から当選品にしたんだって」
「でも…知らない人と一緒に暮らすなんて…」
「マイナンバーで身元は確かなのよ」
「孝くん、はいお年玉♪」
そのばあちゃんはお年玉をくれた。五万円だ‼

「私は社長婦人だったのよ。でも身内で諍いが起きてイヤになって出てきたの」と笑んだ。
その他
公開:19/01/08 22:00
更新:19/01/09 02:11
こんなお年寄りならいいなぁ!

ことのは もも。( 日本 関西 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていこうと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

カントー地方在住
 

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