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ずっと消えなかった暖炉の炎が消えたことがある、お婆ちゃんの亡くなった日がそうだった。
その知らせを聞いても何故か悲しいとは思わず、お葬式が終わっても私はただボーッとしていた。
ぽっかりと心に穴があいたまま学校に行って、家では寂しさが消えない1週間のある日、小さな黒猫が家のドアを叩いていた。
これが私の運命の出会いだった。
ランドセルに黒猫を入れ、こっそりと家に入る。
暖炉の前でランドセルを開けて黒猫を出そうと手を伸ばすと、頭を乗せてゴロゴロと気持ち良さそうにしたものだから頬が緩んだ。
それから黒猫は私以外に懐かず、私が寂しくて泣いている時は、ずっと傍にいてくれたのを覚えている。
そんな黒猫と出会って15年が経ち、私はもう社会人だ。
猫は暖炉の傍で寝転んでいる。
「クロ、私はもう寂しくないよ」
ニッと笑顔を見せると、黒猫は小さく鳴いて再び眠った。
暖炉の炎はまだ消えそうにない。
その知らせを聞いても何故か悲しいとは思わず、お葬式が終わっても私はただボーッとしていた。
ぽっかりと心に穴があいたまま学校に行って、家では寂しさが消えない1週間のある日、小さな黒猫が家のドアを叩いていた。
これが私の運命の出会いだった。
ランドセルに黒猫を入れ、こっそりと家に入る。
暖炉の前でランドセルを開けて黒猫を出そうと手を伸ばすと、頭を乗せてゴロゴロと気持ち良さそうにしたものだから頬が緩んだ。
それから黒猫は私以外に懐かず、私が寂しくて泣いている時は、ずっと傍にいてくれたのを覚えている。
そんな黒猫と出会って15年が経ち、私はもう社会人だ。
猫は暖炉の傍で寝転んでいる。
「クロ、私はもう寂しくないよ」
ニッと笑顔を見せると、黒猫は小さく鳴いて再び眠った。
暖炉の炎はまだ消えそうにない。
その他
公開:19/01/05 16:15
更新:19/06/26 13:50
更新:19/06/26 13:50
私の作品を読んで頂きありがとうございます。
趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。
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