炸裂

戦争が終わりマメド軍港は役目を終えた
跡地はマメド公園として整備されることになった
議会でも満場一致だった

しかしマメド市長は反対だった
国を守るため戦った軍港を残しておきたい気持ちだった
民意も分裂していた
そこで議会は住民投票を行った
結果は公園化に賛成が７割を占めた
戦争の記憶を払拭したいという気持ちの現れだった
一帯は海を眺めることの出来る場所として整備され、憩いの場となった
戦後３年が経過していた

公園のオープンは４月だった
夏には戦時中、中断していた伝統的な祭りが再開された
老若男女が集まり、屋台が出店し、盆踊りが行われた
戦下で緊縮を強いられていた人々の気持ちが解放されてゆく
市はここ何年かで一番の盛り上がりを見せ、熱気に包まれた
市民の清々しい笑顔は高台から眺める市長の心にも炸裂した

いよいよ打ち上げ花火が上がる
３、２、１
ドーン！！
次に炸裂したのは不発弾だった