キラリ・リポート

改築後、御無沙汰の図書館に入ってみようと思い、百貨店から横断歩道を縦断する。
円と角の間を取った、湾曲する百科事典に似た長方形に、白・銀・透明の本が凸凹に突っ込まれた風な（光の反射で外観は変わるらしい）ちぐはぐな外面。アスファルトに圧着された『キラリ』を跨ぎ、樹の匂いに包まれた内部へ。

杉材の床。鏡面鉄骨に渡した、無数の俎板に見えるルーバー（使用全長１万ｍ）の螺旋をエスカレーターで昇る。（横でガラス張りエレベーターも昇降）吹き抜けの先は平行四辺形の天窓と剥き出しの梁。なぜか未完の感が拭えない。１階ロビー。２階はガラス工房の売店と、向かいで土産を買った不室屋のカフェ。三、四とお目当ての図書館に、ガラス美術館が併設されているが有料で、オープン展示を眺める。――最上階はガラスの庭。誘惑に駆られるも、無視。

そして、自動貸し出し機とＩＣカード取得とブックポストの出迎えに挫け、借りずに退館した。