後継者選び

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悪名高い大富豪の男がいた。
年老いた男には三人の息子と、サラという若く美しい妻がいた。連れ合いを亡くした男が数ヶ月前に娶ったばかりの新しい妻だった。自分はまだ若いつもりだが、いつ何かあるかわからない。その前に後継者を選ばなければ。金は捨てる程あるが、残された妻の事が心配だ。よし、と男は考えた。三人の息子のうち、サラの事をもっとも気にかけている者を後継者にしようと。
「お前達にそれぞれ金貨100枚を渡す。それを使って、もっともサラを喜ばせた者を私の後継者とする」
男の言葉にサラが驚いた。
「私が決めてよろしいのですか?」
「ああ。誰にするかはお前が選べ」
長男は装飾品を贈った。大粒のダイヤがあしらわれた指輪や虹色に輝くネックレスにサラはとても喜んだ。
次男は花園を贈った。季節毎に様々な花が咲き誇る素敵な花園に、こちらもサラは喜んだ。
三男は父を殺す暗殺者を雇った。

後継者は三男に決まった。
ミステリー・推理
公開:19/01/05 09:28

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

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