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僕は幼い頃から、人よりも不器用だ。
今日も仕事で、工場の検品の工程を見落としてラインを止めてしまった…。
途端に同僚の冷たい視線が刺さってくる。
「あぁ、消えてしまいたい…」
いつもの道を、トボトボと重い足取りで帰る。
視線は決まって斜め下だ。
すれ違う人の靴だけが、僕を認めてくれてる気がする。
その時三毛猫が目の前を遮り、尻尾でくいくいっと地面を叩いた。
なんだろう、まぁ僕には関係ないだろうと視線を外すと、
「あなたは、日本の裏側にあるブラジルの青空を眺めてるんですよ!ブラジルは今、朝焼けです!」
と言ってスックと立ち上がり、ガッツポーズをした。
僕は目をぱちぱち、そのあまりの滑稽さに、久しぶりにクスリと笑った。
「あなたが下を向いてるつもりでも、実はそうじゃない。さぁ、明日もそれなりに頑張って!なんて、にゃ!!」
はははっ、と笑いながら、また四つ足で路地裏に消えていった。
今日も仕事で、工場の検品の工程を見落としてラインを止めてしまった…。
途端に同僚の冷たい視線が刺さってくる。
「あぁ、消えてしまいたい…」
いつもの道を、トボトボと重い足取りで帰る。
視線は決まって斜め下だ。
すれ違う人の靴だけが、僕を認めてくれてる気がする。
その時三毛猫が目の前を遮り、尻尾でくいくいっと地面を叩いた。
なんだろう、まぁ僕には関係ないだろうと視線を外すと、
「あなたは、日本の裏側にあるブラジルの青空を眺めてるんですよ!ブラジルは今、朝焼けです!」
と言ってスックと立ち上がり、ガッツポーズをした。
僕は目をぱちぱち、そのあまりの滑稽さに、久しぶりにクスリと笑った。
「あなたが下を向いてるつもりでも、実はそうじゃない。さぁ、明日もそれなりに頑張って!なんて、にゃ!!」
はははっ、と笑いながら、また四つ足で路地裏に消えていった。
ファンタジー
公開:19/01/05 21:00
更新:19/09/02 02:42
更新:19/09/02 02:42
日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。
こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)
2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選
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