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このホテルのラウンジからみる川の淵はいつも少し歪んでいる。
ボーイさんに聞くと、この辺りは特に暑いから蜃気楼が原因だとか、ガラスの反射でおかしく見えるだとかいつも曖昧な答えが返ってくる。
10年前に彼と一緒に見たときはそれはそれはキレイな景色だったのに。私たちの思い出も歪んでしまったようでほんの少し悲しい。
でも実本当は何故歪んでいるかを知っている。きっと彼らも知っているはず。信頼しているホテルの支配人も、昔からいるボーイさんも。
それでも私に本当の事を言ってはくれない。
私が流す涙のせいだとも、あの人はもういないのだということも。
微笑みながら優しい嘘をつき続けるあなたたちに甘えて、私はまた夏になるとこのラウンジに来てしまう。
ボーイさんに聞くと、この辺りは特に暑いから蜃気楼が原因だとか、ガラスの反射でおかしく見えるだとかいつも曖昧な答えが返ってくる。
10年前に彼と一緒に見たときはそれはそれはキレイな景色だったのに。私たちの思い出も歪んでしまったようでほんの少し悲しい。
でも実本当は何故歪んでいるかを知っている。きっと彼らも知っているはず。信頼しているホテルの支配人も、昔からいるボーイさんも。
それでも私に本当の事を言ってはくれない。
私が流す涙のせいだとも、あの人はもういないのだということも。
微笑みながら優しい嘘をつき続けるあなたたちに甘えて、私はまた夏になるとこのラウンジに来てしまう。
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公開:19/01/05 21:00
ゆるゆると書いてます^^自分で読んでおもしろいと思うような文章が書きたいです!よろしくお願いします!
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