プログラム

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平凡を極めると奇妙に変わる。叔父は至極つまらない人だった。
「そうやって上着の前開けて、お前は不良か!」
従兄弟のカイ君は、暑いからだよ、と言う気力も無い。生意気という言葉が大好きで、他人の話も聞かずに陳腐な見方に基づいた自分の意見を一気に吐きだす。かと思えば
「カイも楽しいのね楽しいのね〜。」
ふざけたような赤ちゃん言葉でカイくんとスキンシップをとる。その姿は「滑稽」と言うには自然で、安っぽいホームドラマの台本に従っているようだった。
ある正月、家族の集まりで叔父が突然倒れた。要領の悪い部下が飛ばされたという笑い話をしている最中だった。みんな慌てふためく中、カイ君が倒れた叔父の頭のそばにネジを見つけた。
調べたところ、叔父は精巧にプログラミングされたロボットだったのだ。
「父さんらしい常識的な葬式にしてあげよう。」
カイ君のお陰で、叔父は修理工場に引き取られた。翌年は勿論、喪中になった。
SF
公開:19/01/03 15:48
更新:22/09/03 11:22

北瓜 彪

ショートショート講座(2019年7〜9月期)にも参加
しました。
皆様宜しくお願いしますm(_ _)m

※アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/664452356
でも活動しています。SS講座で提出した作品「ファンフラワーに関する見聞」「大自然」もそちらで公開しております。
 

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