憑かれた彼女

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「保護したい、助けたいの」
彼女の気まぐれが始まった気がしたけれど、追求はやめた。僕もまた彼女の気まぐれからここに呼ばれた訳だから、文句を言う資格はない。多分。
「で、助けたいのは誰?」
不毛な質問だとわかっていても一度は聞かないと後で面倒な事になるからとりあえず。
「うん、あのね。私のストーカーなんだけど。話してみたら悪い人じゃなくてさ」
「相変わらずあなたは優しいね」
「わからないけど、行き場に困ってるみたいだし、そろそろ私つかれたみたいで」
彼女の言葉の後、どういうツテで手に入れたかわからない分譲マンションの一室が闇に包まれた。
「ここで全て終わらせてくれる約束」
彼女の言葉が次第にか細くなっていく。関節がありえない角度で曲がり口から血を吐き始める彼女を凝視しながら新たな保護者を探す。そいつは彼女が息絶えた途端、消えた。
ホラー
公開:19/01/03 01:27
更新:19/01/05 18:03
不毛 ストーカー

( ネットの海 )

思いついた時に閃きと共に。
意識しているのは難解な言葉を使わず、端的に。

 

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