一人ぼっちのカセットコンロ
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「ただいま。」
「あ、今帰ったの。
鍋あっためようか?」
「いや、いいよ。食べてきたし。」
嘘。本当は食べてない。でも最近ダイエット中だし。家族で囲む食卓っていう雰囲気に耐えられなくて夕飯の時間よりわざとすらして帰ったくらいなのに。
「まぁまぁ、そう言わんと。今日はカニ鍋やけんね。」とお父さんがわざわざカセットコンロで鍋を温め始める。
「1人ぶんだったらレンジでいいって。」
「こういうのは臨場感よ。」とお母さんがいたずらっぽく笑う。
テーブルの上のカセットコンロで仰々しく温められた鍋を、ひとりでつつく。
大げさで、煩わしくて、めんどくさい。
だけど私1人のために残しておいてくれたカセットコンロ。
明日は一緒に食べようかな、夕ごはん。
「あ、今帰ったの。
鍋あっためようか?」
「いや、いいよ。食べてきたし。」
嘘。本当は食べてない。でも最近ダイエット中だし。家族で囲む食卓っていう雰囲気に耐えられなくて夕飯の時間よりわざとすらして帰ったくらいなのに。
「まぁまぁ、そう言わんと。今日はカニ鍋やけんね。」とお父さんがわざわざカセットコンロで鍋を温め始める。
「1人ぶんだったらレンジでいいって。」
「こういうのは臨場感よ。」とお母さんがいたずらっぽく笑う。
テーブルの上のカセットコンロで仰々しく温められた鍋を、ひとりでつつく。
大げさで、煩わしくて、めんどくさい。
だけど私1人のために残しておいてくれたカセットコンロ。
明日は一緒に食べようかな、夕ごはん。
その他
公開:19/01/03 00:08
本を読むのが好きで、いつか自分もこんなふうに自由に文章が書けたらいいのになぁと思って始めました。本を読むと今まで上手く説明できなかった感情を言葉にしてくれてスッキリすることがあります。いつか私もそんな風に人の繊細な感情を文字に起こせるようになりたいです。未熟な文章ですが目を通していただけると嬉しいです。
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