カXバリズムな新年会

「よ～、おめっとさん」
「明けましておめでとう、本年もよろしく」
新年早々、拝む顔がお前か……。
運命の神様だか縁魔様（字違い）だかを呪いたいが、他にタダ飯たかる当ても、自分で食う金も乏しい俺は、餌に喰い付かざるを得ない。
「年賀状。年始代わり」
……泣ける。自主配達する程、切羽詰まってんだな。そして手ぶらの言い訳だな？野郎の冷笑に耐え、暖房の利いたリビングにお邪魔する。

赤絨毯の床。煉瓦の暖炉。北欧調の応接セット。テーブルに並ぶオードブル。一食で俺の月給が飛ぶシロモノ。
「ウェルカムドリンク」
グラスのシャンパン・ロゼに沈む、眼球。
「飲めよ、美味いぜ？」
悪趣味め。横とグラスの中に見られながら呷る。喉仏が上下し、酒を通過した舌に濡れた球体が触る。――ぐちゅ。血走った青い光彩を咀嚼する。ザクロと木苺を足した味。
「意外と美味い」
「だろ？ちなみに今年は、カニ鍋」
畜生、大好きだお前！！