知事と市長

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知事はある市へ視察に向かった
そこは県内でも学力が高いことで有名で、スポーツでも好成績をおさめていた
おまけに美男美女も多い
その理由を解明し、他の市でも応用したいという思いだった

市庁舎は踏切を渡ったところにあり、彼は面会のため応接室で待っていた
「知事、ありがとうございます」
「早速だが、市の独自の取り組みを教えて欲しい」
「特に変わったことはしておりませんが」
「では、なぜこんな結果になる?」
知事は資料を広げた
「と言われましても」
話し合いはずっと平行線だった
知事は夕方の公務の時間がきて、席を立った
カンカンカンカン♪
時間切れを祝うかのように踏切が響く
「また来ます。予算を出すので立体交差にしてはどうかな。ほら、渋滞も起きてますよ。では」


「市長、良かったのですか」
「踏切に特殊な音を紛れ込ませ、市民が自分に自信が持てるように、一種の催眠術をかけているなんて言えんよ」
ミステリー・推理
公開:19/01/03 21:29
更新:19/01/05 19:08

西木( Tokyo/Tokushima )

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