片鱗
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                                僕は、ヘッドホンで音楽を聞きながら、ズボンに手を入れ、新年の人混みを縫うように、道の上を歩いていた。
遠くから幸せそうな家族を見ていると、どうしてそんなに幸福な顔をしているのか不思議で堪らなかった。
平和の象徴がいつまでも輝き続ける未来を信じて、後を絶たずに誕生する人類は、どれほど愚かな者なのかさえ考えてしまう始末であった。
僕は横断歩道で信号待ちをしながら、点滅する三色を見つめていた。
社会に対して偏見を抱きながら、生きてきた始末が、いつしか他人を羨む病魔に変わっていた。
急に、厄年が気になり、スマートフォンのネットで調べてみるが、
本厄を一年前に過ぎていた。
僕自身が厄なのかもと思ってしまっていた時期もあった。
その時も同様に、ネットで調べてみたが、結果は同じであった。
「あなたは未来を見ようとしていないんじゃない?」
僕の横に突如一人の女性が現れ、そう告げた。
    遠くから幸せそうな家族を見ていると、どうしてそんなに幸福な顔をしているのか不思議で堪らなかった。
平和の象徴がいつまでも輝き続ける未来を信じて、後を絶たずに誕生する人類は、どれほど愚かな者なのかさえ考えてしまう始末であった。
僕は横断歩道で信号待ちをしながら、点滅する三色を見つめていた。
社会に対して偏見を抱きながら、生きてきた始末が、いつしか他人を羨む病魔に変わっていた。
急に、厄年が気になり、スマートフォンのネットで調べてみるが、
本厄を一年前に過ぎていた。
僕自身が厄なのかもと思ってしまっていた時期もあった。
その時も同様に、ネットで調べてみたが、結果は同じであった。
「あなたは未来を見ようとしていないんじゃない?」
僕の横に突如一人の女性が現れ、そう告げた。
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      公開:19/01/03 19:40      
    
 
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