夢餅
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「最近はどうなんだ?」
父がそう訊いてきた。
相変わらず言葉足らずだなあ。なんて思いながら、返す。
「うん、まあ。ぼちぼちだよ。一年目だからこんなものかもしれないけど」
「そうか、ならよかった」
コンビニで適当に買ってきたつまみとビールを愉しみながら、近況報告や世間話をする。
石油ストーブの上には餅を焼いてある。少しずつ膨らんできている。
横から母も混ざる。
父は酔っぱらうと饒舌になる。僕はにやにやしながら聴く。母は噴き出して、父の肩を叩いたりする。
いつの間にか時間が過ぎていた。
眠った母の横で、父が呟く。
「そろそろか」
その目は石油ストーブの上の餅を見ていた。
餅は膨らんで、今にも割れてしまいそうだ。
「うん、そろそろかな」
「元気でやれよ、応援してる」
「ありがとう。頑張るよ」
餅がはじける。同時に部屋にいたはずの二人はふっと消えた。
外では新しい一日が始まろうとしている。
父がそう訊いてきた。
相変わらず言葉足らずだなあ。なんて思いながら、返す。
「うん、まあ。ぼちぼちだよ。一年目だからこんなものかもしれないけど」
「そうか、ならよかった」
コンビニで適当に買ってきたつまみとビールを愉しみながら、近況報告や世間話をする。
石油ストーブの上には餅を焼いてある。少しずつ膨らんできている。
横から母も混ざる。
父は酔っぱらうと饒舌になる。僕はにやにやしながら聴く。母は噴き出して、父の肩を叩いたりする。
いつの間にか時間が過ぎていた。
眠った母の横で、父が呟く。
「そろそろか」
その目は石油ストーブの上の餅を見ていた。
餅は膨らんで、今にも割れてしまいそうだ。
「うん、そろそろかな」
「元気でやれよ、応援してる」
「ありがとう。頑張るよ」
餅がはじける。同時に部屋にいたはずの二人はふっと消えた。
外では新しい一日が始まろうとしている。
その他
公開:18/12/31 23:37
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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