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どんがらがっしゃん!
世界が壊れる音で目が覚めた。
慌てて一階に降りると、うちの玄関を突き破って無人バスが停留していた。老若男女のアンドロイドたちが、列を作ってバスに乗り込んでいく。その傍らで、昨晩新年会で飲みすぎたと思しき母が、どこかから拾ってきたらしいバス停を抱きかかえて寝ていた。ストッキングを鉢巻きにしている。お母さんのばか!
客を乗せ終えたバスが動き出す。
どんがらがっしゃん!
今度は玄関と反対の壁を突き破って出ていった。木造でよかった。真冬の朝の身を切るような風が、バスを追うように我が家を吹き抜ける。
わたしもこの生まれたての風を追いかけよう。煌く年始の風が向かう先に、新しい時代があるような気がした。
がしゃん!
わたしの頭にタライが落ちた。「頭痛い……」と呻いて寝返りを打つ母の前に、また通勤アンドロイドたちが並び始める。
「だめだこりゃ……」
世界が壊れる音で目が覚めた。
慌てて一階に降りると、うちの玄関を突き破って無人バスが停留していた。老若男女のアンドロイドたちが、列を作ってバスに乗り込んでいく。その傍らで、昨晩新年会で飲みすぎたと思しき母が、どこかから拾ってきたらしいバス停を抱きかかえて寝ていた。ストッキングを鉢巻きにしている。お母さんのばか!
客を乗せ終えたバスが動き出す。
どんがらがっしゃん!
今度は玄関と反対の壁を突き破って出ていった。木造でよかった。真冬の朝の身を切るような風が、バスを追うように我が家を吹き抜ける。
わたしもこの生まれたての風を追いかけよう。煌く年始の風が向かう先に、新しい時代があるような気がした。
がしゃん!
わたしの頭にタライが落ちた。「頭痛い……」と呻いて寝返りを打つ母の前に、また通勤アンドロイドたちが並び始める。
「だめだこりゃ……」
SF
公開:19/01/02 12:23
更新:19/01/02 14:01
更新:19/01/02 14:01
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