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気が付くと、俺は椅子に座っていた。
耳にはインカム。
『私の言う通りにしてください。助けるのは、一回だけ』
「このチケットなんですが……」
『B-3に案内して』
「飲み物をこぼしてしまいました……」
『そこの棚にタオルがあります。お渡ししてください』
「パパとはぐれちゃったよう……」
『案内の放送をしましょう。機器の操作方法を説明します』
俺は声に導かれるまま、仕事をこなした。
楽しい。
仕事って楽しい。

気が付くと、俺は椅子に座っていた。
目の前には箱。
手元には突起のたくさん付いた板。
俺のまわりには何人も人がいる。
「このグラフなんですが……」
「次の会議に使う資料なんですが……」
「先月の数字、間違っているようなんですが……」
声は助けてくれない。
苦しい。
仕事って苦しい。
ホラー
公開:19/01/02 10:16

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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