生類憐みの令等の一部を改正する法律

ペットを飼う家が激減した今でも、僕の家は珍しくペットを飼っている。みんな動物好きだったじいちゃんの形見だ。

ある日突然法律が変わって、毎日ペットを職場や学校に連れていくことになった。ペットも家族も数は4。ぴったりだ。

「父さんは静かなのがいいな」
「母さんはなんでも大丈夫よ」
「えー、あたし連れて行きたくない」
「姉ちゃん酷い！僕は…」
家族会議の後、それぞれ担当が決まった。

母さんはインコのピー介。スーパーの入り口で「イラッシャイマセ」って元気に挨拶してるらしい。
姉ちゃんは猫のミイ太郎。グレーの猫は勤勉猫らしくて、成績が上がったんだって。本当かなあ。
父さんはカメ吉。普段と特に変わらないってさ。

そんなことを考えながら学校に向かっているとリードがグンと引っ張られた。
「ゴン左衛門！」
僕は道端で突然動かなくなった柴犬のゴン左衛門をなだめる。

「さすがに遅刻3回目はマズイよ！」