コピーくん

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同僚の企画書を盗もうと会社に忍び込んだ
声が聞こえたのはその時だった

『またお前か』
「誰だ!」
『盗んだらあかんがな。モラルとかプライドとかどうなってんねん』
見渡しても人の気配はない
『こっちや』
声のほうに近づくと、古びたコピー機があった

『よっ』
瞬間コピー機から手足が生えた
「わわわ」
『いつも見てるで、泥棒』
彼は机に座って膝を組み、続けた
『ええか、世の中にはええコピーと悪いコピーがあるんや。お前がやってる丸パクリは悪いコピー、ええコピーってのは許可を得てアレンジを加えたり、そういうやつや』
「お前もいつも丸パクリじゃないか」
『それが仕事やねん』
ぐうの音も出ない
『ええか、パクるなよ』

俺は徹夜で企画を考えた
プレゼンではいつもより声が出た
情熱は功を奏し大賞を獲った
その瞬間、コピー機は全トレイから紙を吐き出した
周りはパニックを起こしたが、俺にはそれが涙に見えた
ファンタジー
公開:18/12/31 17:29

西木( Tokyo/Tokushima )

コツコツ書きます。
皆さんの素敵な作品を読めて幸せです。
182(20190321 模様替え)

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