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大晦日、久しぶりに実家に帰った。何年かぶりの両親との正月。窓に大きな岩木山が見える。この山を見ると、帰ったんだなと実感する。
東京土産を炬燵に広げ、昔に戻った気分になる。蜜柑むいてと母に言うと「のんちゃんは相変わらず甘えん坊だね」と昔と変わらない笑顔を見せた。
窓には降り積もる雪。「歩くとこだけかいたよ」と父が呟く。昔はここだけ春が来たと言われる程きれいに雪を片付けていた父が、炬燵で横になりテレビを見ている。家事でせかせかと動き回っていたはずの母も、横になって一緒にテレビを見ている。

三日後、東京行きの寝台に乗った。達者でなと手を振ってくれた二人の姿が、なんとなく小さく見えた。
車中、私は実家近くに住む姉にメールした。
『父さんと母さん、弱ってるみたい』
すぐに返信はきた。
『わかった、任せて。元気でね』

汽笛が鳴った。ふと車窓を見ると、遠くの岩木山が雪の庇に隠れて消えた。
青春
公開:18/12/31 14:52
家族

数理十九

第27回ゆきのまち幻想文学賞「大湊ホテル」入選
第28回ゆきのまち幻想文学賞「永下のトンネル」長編佳作
一期一会。
気の向くままに書いては、読んで、コメントしています。
特に数学・物理系のショートショートにはすぐに化学反応(?)します。
ガチの数学ショートショートを投稿したいのですが、数式が打てない…
書こうと考えてもダメで、ふと閃いたら書けるタイプ。
最近は定期投稿できてないですが、アイデアたまったら気ままに出没します。

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