お父さん

お父さんが今日帰ってくると母が朝から準備に追われている。僕は朝ご飯の後で祖母の家に来ていた。祖母の家でも準備をしていたけれど僕はすることがないので宿題をしてる。僕はお父さんに会うのは久しぶりだ。でもお父さんのことをあまり覚えていないので今日帰ってくると聞いてもどんな顔をしていいか分からない。祖母はずっと今日だとは聞いていなかったとくり返し言っている。宿題の途中で母が迎えに来たので僕は家に戻る。祖母も一緒に来たけれどやっぱり今日だなんてと言っていて僕は。家に帰るとお父さんが戻っていた。お父さん。お父さんは四角い箱に入っていて僕は目を閉じたままのお父さんの顔を久しぶりに見た。お父さんは前に見た時より小さく見えたけどそれは僕が大きくなったからだとお母さんは言う。祖母はお父さんの箱を見た途端に泣いて落としそうになった。お父さんは箱の中で目を開けて僕に何か言っている。僕には聞こえない声だけど頷いた。