実験

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目を覚ましたら、知らない天井だった。
薄暗い部屋で、隙間風が冷える。どうやら周りには誰もいないらしい。
「とりあえず外に出てみるか。」
扉をあけてみると、目の前には草原が広がった。裸足で草原を駆けると心地よく、時間を忘れてしまった。ふと気づくと、さっきの部屋がなくなっている。一面の草原が広がっている。ふと、きづいた。不思議なことに記憶がごっそり抜けている。
「ここはどこだ、俺は誰だ。」
すると、突然地面が抜けて奈落に落とされた。

目が覚めた。知ってる天井だ。
「やぁやぁ。実験は成功だよ。お疲れ様。10分程度は思った通りの夢を見せることができる。今日は帰っていいぞ。」
聞き慣れた声だ。
「博士、、なるほど、そうだった。」
俺は被験者だった。
「またくるよ。」
そう言って外に出た。外はコンクリートで舗装された、味気ないビル群だった。
「つまらない。」
SF
公開:18/12/30 19:33

もみじ

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