好物
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子供の頃、食卓には毎晩ブロッコリーがたくさん置いてあった。父の好物だったのだ。
「あなた、そんなにブロッコリーを食べたら身体からブロッコリーが生えてきますよ」
「ほぅ。そしたら食費が浮くからよいではないか」
「あら。たしかにそうですね。」
両親はこんな調子だからもう手がつけられなかった。その様子が嫌に奇妙でブロッコリーは苦手になったもんだから、端に置いてあるキュウリでしのいだ。
大人になり、素敵な妻と子供にも恵まれ家庭をもった。
「あなた、キュウリを何本買えば気がすむのですか?」
「いっそのこと身体から生えてくれればいいな」
そんな会話をしていると、息子はトマトを食べていた。
「あなた、そんなにブロッコリーを食べたら身体からブロッコリーが生えてきますよ」
「ほぅ。そしたら食費が浮くからよいではないか」
「あら。たしかにそうですね。」
両親はこんな調子だからもう手がつけられなかった。その様子が嫌に奇妙でブロッコリーは苦手になったもんだから、端に置いてあるキュウリでしのいだ。
大人になり、素敵な妻と子供にも恵まれ家庭をもった。
「あなた、キュウリを何本買えば気がすむのですか?」
「いっそのこと身体から生えてくれればいいな」
そんな会話をしていると、息子はトマトを食べていた。
その他
公開:18/12/30 15:18
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