無敵の文才

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貴方の目の前には人語を操る狐と狼がいる。

「やあいらっしゃい。僕は人間の心理を研究している者だ。君はタイトルを見てここへ? けどねそれと僕達の会話は全く関係ないんだ」

狐は言った。

「文才が何かと戦う必要はないから無敵という単語とは繋がらない。意味がないんだ」

狐は続ける。

「ところで君は自分の作品に自信がなく他人のを参考にするタイプかい? それとも他人の作品を見定めてやろうとした強気なタイプかな?」

狐は話題を変えて貴方の心を覗き込むように身を乗り出す。

「完全に自分の世界に陶酔している人間なら他人に興味を抱かず、ここには来ないからね」

狐は横の狼を見る。

「彼は猟師なんだけど、獲物は追うより誘い出す方が楽って言うから実験をしたのさ」

紹介された狼が頷いて口を開く。

「本題を言おう。俺達は腹ペコなんだ。次はお前に接待してもらおうか」

狼が舌を出してニヤリと笑った。
ミステリー・推理
公開:18/12/30 09:42

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