指先からのアプローチ

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ちょっと家事を手伝っているだけのこと。こんなボロボロの手さえも私を褒める材料にしてしまう彼はまるで寒空のおでん屋台のような癒しの存在。

手の甲から指の末端まで少しずつ熱を帯びていく。ハンドクリームと彼の体温が相待って、私のカサカサな皮膚を優しく潤してくれる。
高まる鼓動が指先を伝わって彼にまで届いてしまわないだろうか、といらぬ心配までしてしまう。

ガサツな私は寝る前のハンドクリームも保湿手袋もついつい忘れてしまいがちだ。
ただ、通学バッグにハンドクリームを常備することはこの先もきっと忘れない。
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公開:18/12/28 00:26
更新:18/12/29 10:24

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