160. 十二支の慰労会

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『ヒヒーン』と午(うま)が鳴き声をあげ、今年も宴は始まった。

亥年ももうすぐ終わる。
毎年末に十二支揃っての慰労会が開催されているのだが、毎回翌年の干支の担当が幹事を勤め一年の抱負を語ることとなっている。従って今回の幹事は子(ねずみ)。
だが毎度注意を配らなければならない者がいる。それは猫だ。
子に嘘をつかれ十二支に選ばれなかった猫は子を恨んでおり、毎回現れては喰おうとするので他の干支たちはいつも気が気ではない。神様も参加してらっしゃるので失礼があってはならないのだ。警備には同じネコ科の寅が当たる。猫は寅が相手では猫パンチも決まらにゃい。

早速猫がどうにか忍び込もうと近づいてきたが会場を一目見、珍しく直ぐに諦め引き返していった。そこには湯気が立ち上っていた。
幹事のカピバラは安堵で目を細めると、深く湯に浸かった。

他の干支たちは初めての温泉に、気持ち良さそうに瞳をキラキラと輝かせた。
ファンタジー
公開:18/12/27 11:00
更新:19/01/07 01:57
スクー 十二支の幹事確認 亥年の終わりなので 一年後のお話 猫ちゃんごめんね。

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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