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福引で「腹話術ライブ」の招待券を引き当てた。興味はなかったが、暇だったので、街中の小さなライブハウスへ出かけてみた。
開場15分前。入り口にはわりと行列ができていた。ネットで調べたら、わりと有名な腹話術師で、マイクを通さない生声にこだわりがある、とかで、大きな会場は使わないのがウリだという。
開演ブザーが鳴って、スタンディングで超満員のライブ会場へ入る。
袖から、燕尾服の中年の男が、よく見るタイプの男の子の人形を抱えて現れた。
その腹話術師は、マスクをしていた。
そして20分近くの間、腹話術の人形が、咳とクシャミを繰り返した。
信じ難いことに、会場は盛り上がっていた。「やっぱりすごい」「神業だ」なんて声まで聞こえた。
僕は騙されたような気分で家に帰った。
そのライブの後、僕は風邪をひいて、ひどい咳とくしゃみに苦しんだ。
その時、あれは、まさに神業だったのだと、気づいた。
開場15分前。入り口にはわりと行列ができていた。ネットで調べたら、わりと有名な腹話術師で、マイクを通さない生声にこだわりがある、とかで、大きな会場は使わないのがウリだという。
開演ブザーが鳴って、スタンディングで超満員のライブ会場へ入る。
袖から、燕尾服の中年の男が、よく見るタイプの男の子の人形を抱えて現れた。
その腹話術師は、マスクをしていた。
そして20分近くの間、腹話術の人形が、咳とクシャミを繰り返した。
信じ難いことに、会場は盛り上がっていた。「やっぱりすごい」「神業だ」なんて声まで聞こえた。
僕は騙されたような気分で家に帰った。
そのライブの後、僕は風邪をひいて、ひどい咳とくしゃみに苦しんだ。
その時、あれは、まさに神業だったのだと、気づいた。
ファンタジー
公開:18/12/28 15:08
更新:18/12/28 17:55
更新:18/12/28 17:55
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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