夕暮れの路地裏風味

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コンビニで不思議なチューハイを見つけた。
缶のラベルには、
夕暮れの路地裏風味
と書いてある。
面白そうなので、一本買っていくことにする。

帰宅して、夕飯の準備をしてから缶を開ける。
ぷし。

おや?缶の中から何か聞こえる。
自転車の車輪がカラカラ回る音、側溝の上のグレーチングを歩く足音とその反響。
缶の中から、冷たい空気に乗って焼き鳥みたいな匂いが部屋に吹き込んできた。

一口、飲んでみる。
柑橘の爽やかな味が広がる。その後で胸のあたりがじんわりと温かくなる。
目を閉じると、夕日に照らされた路地裏とそこを行く人々の笑顔が鮮明に浮かぶ。

再び目を開いた僕は、実家があるあの町のことを思い出していた。

部屋の窓から外を眺める。
暗い空のずっと向こう側、あの町に繋がっていることをふと思う。

部屋の電気が眩しく感じて、思わず消す。
電気を消すと、いつもより星がたくさん見えた気がした。
その他
公開:18/12/25 21:55

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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