サンタクロースフォース

クリスマス。サンタクロースから受け取ったプレゼントを双子の息子たちの枕元へ置きに行こうとすると「どうしたの？プレゼントならツリーの下でしょ」と妻が言う。
「そういえば洋画でそんな場面を観たことがあったな」と子供たちが喜ぶ姿を想像しながら、リビングに飾ったツリーの下にプレゼントを置く。

「良い子じゃなかったからサンタさん来なかったー」
朝になって、息子たちが靴下片手に大泣きながら階段を下りてくる。「そのパターンがあったか」と反省していると、妻が申し訳なさそうな表情で、「ツリーの下を見てごらん」と促す。

子供たちは涙と鼻水と笑顔をブレンドした複雑な表情を浮かべて大急ぎでプレゼントのラッピングをむしり取り、現れたプレゼントを手に笑顔を輝かせて大喜びで遊んでいる。

まったくサンタクロースの力は偉大である。お互い希望したプレゼントを取り違えているのに、あんなにも楽しそうなのだから。