眠れる森の獣
2
4
村の近くに禁忌とされている森がある。
どうやら、その森の奥には主がいるらしく一度入ったら生きて帰れないらしい。小さな頃から親にキツく言われてきたが、私はこっそりと足を運んでいる。
「こんにちは、素敵な獣さん」
今日も透き通った白銀の毛を梳き、眠る獣と時間を過ごす。風が木々を撫でる音を聞きながら、この美しい獣と過ごすのが私の日課だ。
だが、そんな幸せな日々は急に終わりを告げることとなった。
「獣が目を覚ましたぞ、襲われる前に逃げろ!」
逃げる事はつまり、村から離れて暮らすことを意味している。
大好きな貴方とずっと一緒にいたい。でも、もう会えないのなら、せめてお礼だけは言いたかった。
「お母さん待って!お別れを言わなきゃいけないの!」
「獣に食べられたらどうするの!?ほら、早く行くわよ」
さよならを告げる間もなく、獣の唸りが揺らす馬車の中、消えゆく村を見続けた。
どうやら、その森の奥には主がいるらしく一度入ったら生きて帰れないらしい。小さな頃から親にキツく言われてきたが、私はこっそりと足を運んでいる。
「こんにちは、素敵な獣さん」
今日も透き通った白銀の毛を梳き、眠る獣と時間を過ごす。風が木々を撫でる音を聞きながら、この美しい獣と過ごすのが私の日課だ。
だが、そんな幸せな日々は急に終わりを告げることとなった。
「獣が目を覚ましたぞ、襲われる前に逃げろ!」
逃げる事はつまり、村から離れて暮らすことを意味している。
大好きな貴方とずっと一緒にいたい。でも、もう会えないのなら、せめてお礼だけは言いたかった。
「お母さん待って!お別れを言わなきゃいけないの!」
「獣に食べられたらどうするの!?ほら、早く行くわよ」
さよならを告げる間もなく、獣の唸りが揺らす馬車の中、消えゆく村を見続けた。
ファンタジー
公開:18/12/25 19:26
私の作品を読んで頂きありがとうございます。
趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。
ログインするとコメントを投稿できます