仲良くなれるガム

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僕のパパとママは仲が悪い。
パパが夜遅くに酔って帰ってくると、いつもケンカしてる。
もっと仲良くなったらいいのに。
学校からの帰り道、「坊主、元気ねぇな」と薬屋のおじさんに声を掛けられた。
「何かあったか?」
僕はおじさんに思い切って相談した。もしかしたら仲良くなる薬が売ってるかもしれない。
「だったらこれだな」
おじさんは表の小さな自動販売機を指差した。
「何これ?」
中には小さな箱が入っていた。
「ゴ…、ガムだよ」
「ガム?これで仲良くなるの?」
おじさんはガハハと笑った。
「効き目は抜群さ」
「わかった。おじさん、ありがとう!」
急いで家に帰って、ランドセルを置いてから財布を持って薬屋に走った。
あのガムを食べたらパパとママは仲良くなるに違いない。

「ママ、プレゼントあげる♪」
「あらあら、何かしら。……え゛!?」


翌朝、パパとママはとても仲良くなった。
おじさん、ありがとう!
ファンタジー
公開:18/12/25 15:33
更新:19/05/06 17:50
ファンタジーですよ

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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