ステーキの代償

0
3

きっかけは彼女が川向のマンションに住んでいたことだ。
彼女はいつも几帳面に洗濯物を干し遠目に見ても美しかった。
俺が彼女をベランダからいつも見ていたので彼女もいつしか気づいてしまった。普通ならここで気持ち悪い人で終わりになるものだろうが、俺達は川を挟んだマンションに続く橋で出会ってしまった。
「いつも見ているの、知ってますよ?」
俺は恥ずかしさで顔から火が出そうだった。
その日から俺たちは仲良くなりお互いの部屋を行き来する仲になった。
ところが彼女は俺が行き付けのゴスロリメイド喫茶で似顔絵入りの痛ケーキをもらったことに嫉妬して俺を責めたのだ。俺は彼女と喧嘩をして激昂してつい、湯舟に彼女の顔を何度も押し付けてしまった。彼女はステーキにして食べた。
風呂は温泉付きだが俺は寒い冬にも関わらずシャワーしか浴びることができない。
湯舟から彼女の声がし張ったお湯に彼女の姿が映るからだ。
ホラー
公開:18/12/25 12:50

よもつひらさか( 山の中の森 )

短編小説を主に書いています。
収録作品
「五分後に驚愕のどんでん返し」ー記憶喪失ー(河出書房新社)
「ためしに怪談聞いたら、やっぱり幽霊いるし怖すぎた。」ー探し物ー(竹書房)
「千人怪談」-さよちゃん-見られている-(二作品) (竹書房)
「5分後に緊迫のラスト」-マリッジブルー(河出書房新社)
書店、Amazonにて発売中
「エブリスタ」投稿しています。
第10回ノベリスタ大賞 最優秀賞受賞「ヤマモトヒロシ」
「怖話」にて怖い話を投稿しています。
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容