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高校最後の夏。真夜中にぼくは机に向かって勉強していた。腹ぺこだった。夜食が欲しい。しかし食べるものは何もなかった。
その時。廊下から、ピタッ…ピタッ…と足音が聞こえてきた。
ふと、昔おばあちゃんから聞いた話を思い出した。妖怪「歩く弁当箱」の話だ。
「お腹を空かせた人のところへ行き、出会った人を笑顔にするんだよ」おばあちゃんは、そう話していた。
ピタッ…ピタッ…。足音が近づいてきた。
ガラッと扉が開いた。巨大な弁当箱があった。妖怪、歩く弁当箱だ。太い手足が生えていて、大きな目がこちらを睨んでいる。厚い唇が開いた。
「さあ、お食べー!」
ぼくは恐る恐る弁当箱の蓋を開け、中をゆっくりと覗いた。
しかし、ぼくはその中身を食べることはなかった。そのまま力尽きて倒れてしまったのだ。
倒れながらぼくは、つぶやいた。
「お前の中身。空っぽやん…」
その時、ぼくは確かに笑顔になっていた。
その時。廊下から、ピタッ…ピタッ…と足音が聞こえてきた。
ふと、昔おばあちゃんから聞いた話を思い出した。妖怪「歩く弁当箱」の話だ。
「お腹を空かせた人のところへ行き、出会った人を笑顔にするんだよ」おばあちゃんは、そう話していた。
ピタッ…ピタッ…。足音が近づいてきた。
ガラッと扉が開いた。巨大な弁当箱があった。妖怪、歩く弁当箱だ。太い手足が生えていて、大きな目がこちらを睨んでいる。厚い唇が開いた。
「さあ、お食べー!」
ぼくは恐る恐る弁当箱の蓋を開け、中をゆっくりと覗いた。
しかし、ぼくはその中身を食べることはなかった。そのまま力尽きて倒れてしまったのだ。
倒れながらぼくは、つぶやいた。
「お前の中身。空っぽやん…」
その時、ぼくは確かに笑顔になっていた。
ファンタジー
公開:18/12/25 00:39
大阪在住のシンガーソングライターです。池田市、箕面市あたりでライブ活動してます。
最近はショートショートもはじめました。
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