紙一重の子

2
8

わたしのおばあちゃんはわかいころアランドロンとつきあっていたそうです。そのことはおじいちゃんにはナイショで、わたしとおばあちゃんだけのヒミツです。おばあちゃんはアランドロンにもてあそばれたほどになかよしです。
小学校に入学してはじめての授業参観は「家族のことを話そう」というものだった。
私がおばあちゃんの話をすると、もえ先生の顔色が変わった。
あらんどろんってだあれ?
もてあそばれたってなあに?
クラスメイトはもりあがって、もえ先生は沈静化に必死だった。
教室にいたはずのママは静かに姿を消し、オーディエンスは変わった顔で私を見て、そのうちに、もうどうしようもなくなったという感じで笑いはじめた。やがて教室はなんばグランド花月のようになった。
私は校長先生に呼ばれた。
弁護士が来るまで話しません。
そう言うと、ウケた。
このまま取り返しのつかないところまで行こう。私はまだ走りはじめたばかりだ。
公開:18/12/26 18:17
更新:18/12/26 18:30

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容