捨てる残業

とある国では残業時間が社会問題化していた。

そんな折、余計な残業時間を捨てられるゴミ箱が販売された。

ゴミ箱の底に穴が空いており、残業時間をカットして捨てると吸い込まれるように流れて行くのだ。

残業しなくて良い為、飛ぶように売れる。

製造会社も大忙し。もちろん残業時間はない。

全部捨てれば良いのだから。

ところが余りにも気軽に捨てる為、遂にゴミ箱の穴の中が詰まってしまい、再び残業時間がかさんでしまうようになった。

ゴミ残業時間による廃棄物問題である。

そこで業者が中に入り詰まりを直すと溜まった時間が一気に流れ出した。

その反動で渦巻きのような現象が起き、残業時間以外の人生の時間も吸い込まれてしまい、次は老人問題に悩まされる事になった。